1.毛の構造

● 毛幹部

皮膚の上に出ている<見えている>部分です。

● 毛根部

皮膚の下に隠れている<見えない>部分です。

● 毛球部

毛根の下方の少し膨らんだ部分を指します。
皮膚の基底細胞と同じ様に、毛母細胞が盛んに細胞分裂を繰り返すことにより、新しい毛の細胞が増え、毛は成長していきます。

● 毛乳頭

毛球部の中にあり、下から真皮層の細胞が突起状に入り込んでいる部分を指します。
毛乳頭には毛母細胞が接しており、毛乳頭に入り込んだ毛細血管は毛母細胞に栄養を与えています。
栄養を取り入れた毛母細胞が細胞分裂し、新しい毛の細胞が増え、毛は成長していきます。

● 毛包

毛包は毛嚢とも呼ばれ、上皮性<表皮性>の部分と、真皮性の部分とで形成されています。毛を直接包んでいるのは、上皮性の毛包です。毛包は、表皮が下に向かって4〜5mm陥入してできたものです。
この表皮の分化によって、毛包や皮脂線や毛そのものも作られています。

■皮膚の断面図
皮膚の断面図


2.発生の原理

身体に生えている毛は「生える」「伸びる」「抜け落ちる」そして又「生える」を繰
り返しています。
この仕組みを“毛周期”(へアーサイクル)と呼びます。
毛周期


1.成長期
毛の成長には毛乳頭が関与しています。
毛乳頭の中には、毛細血管や神経が入り込んでいます。
この毛細血管から、毛を作るために必要な酸素や栄養成分がにじみ出てきます。毛の成長が始まる頃になると、毛乳頭の中にある毛細血管の血流や栄養供給が盛んになり、毛乳頭の働きが活発になるとともに、毛は成長していきます。

2.退行期
一定期間の成長期を過ぎると、今まで盛んだった毛細血管の血流や、栄養成分の供給がストップします。そのため、毛乳頭の働きが低下し、毛の成長はストップします。
後退期は数週間続き、休止期へ移行します。

3.休止期
後退期で成長のストップした毛が毛包の収縮によって押し出されていきます。
やがて皮膚表面で起きる摩擦によって、毛は簡単に抜け落ちていきます。休止期は部位によって異なりますが、約3ヶ月〜4ヶ月続き、再び毛細血管の血流が盛んになり、成長期に入ります。

毛周期